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VOCALOIDの曲をテーマにした二次創作小説です。

   
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VOCALOIDと飲むお酒 六話
ミクが小さなアルバムを見ている

ミク「あれ、カイト兄がお花つけてる。」

ミクはメイコに子供の頃のアルバムを見せてもらっていた
大きな装丁の物ではなく小さな冊子のようなアルバム

写真の中の小さなカイトは、
クローバーで作られた大きな花飾りを頭にのせ、
手にも花飾りの輪を持ち、こちらに見せ
とても嬉しそうに笑っている

メイコ「小さい頃はカイトをよく遊びに連れていってあげてたのよ。」

ミク「えー、そうなの、カイト兄とは私はあんまり遊んでもらってないと思う・・
私も行きたかったのにー。」

メイコ「ミクちゃんは小さかったもの、
カイトもこうして一緒に遊んでたのはホントに小さい頃だけだったのよ。」

ミクは小さな頃、メイコによく遊んでもらっていた
女の子らしい遊びは全部メイコに教えてもらった
しかし、ミクには小さな頃にカイトと遊んだ記憶がほとんどなかった

ミク「メイコ姉、ちょっとカイト兄にどうゆう事か聞いてくるね。」

メイコ「えっ。うん、わかったわ、いってらっしゃいね。」

メイコはミクの剣幕に特に驚きもせず、カイトの部屋に向かうミクを笑って見送った

ほどなくしてミクが戻ってきた

ミク「カイト兄、いないみたい。電話する。」

メイコ「うん、たぶん。今はその辺りをウロウロしてるだけだから、
かけてみるときっとでるわよ。」

カイトへ電話をしようと携帯をとりだずミクを
メイコも全くとめる素振りもない

ミク「あ、でた。」

カイトは特にどこに向かうでもなく、いつもの散策ルートをウロウロしていた
次はどこをブラブラしようかそれとも帰ろうか、
どちらでも構わないような足取りで歩いていると、携帯が鳴った

カイト「ん、ミクか。」

ポケットから携帯を取り出す
カイトが携帯を耳にあてると、すぐにミクが話し始めた

ミク「カイト兄、聞きたい事があるんだけど・・・。」

カイト「え、どうかしたのか。」

ミク「小さい頃、どうして遊んでくれなかったの?」

カイト「・・・・ん?」

カイト「小さい頃って・・・・、誰が?・・・。」

ミク「私が。」

カイト「ミクが小さい頃、遊んでくれなかったの?・・・誰が?・・・。」

ミク「カイト兄が!」

カイト「・・・つまり、僕がミクの小さい頃、ミクと遊んでくれなかったって事?」

ミク「そう。」


カイト「・・・・・・?」


カイトは少し当惑の表情を浮かべると、割とすぐに話しを続けた


カイト「そうだったかな・・・、結構遊んでたと思うけど・・・。」

ミク「だって、クローバーもらってない。」

カイト「えぇっ!、クローバー・・・?、か・・・、あぁ、クローバーな、あれか・・・。」


メイコのアルバムには、もちろん
カイトが花飾りを得意げにしているページと同じページに

隣の写真でカイトが手にしている、クローバーの白い花がいっぱいに咲いた花飾りを頭にのせて
少し照れたように笑っているメイコの写真があった

何故かカイトには状況がわかったらしく、話しを続けた


カイト「いや、ほら・・・、そう。ミクはクローバーの曲を歌ってるよな。
このあいだのコンサートでも。」

ミク「え?う、うん。」

カイト「クローバークラブだよな、ダンスと衣装が可愛くてさ。」

ミク「うん。」

カイト「ミクは四葉のクローバーって知ってるだろ。」

ミク「うん、知ってるけど・・・・。」

カイト「だったら、貰ってなくないだろう。貰ってるだけじゃない、
みんなに音の四葉のクローバーを届けてるだろう?
ミクはLAのコンサートであの曲を歌ってる時、どう思った?」

ミク「え・・・、楽しかったけど・・・。」

カイト「みんな、喜んでくれてた?」

ミク「うん・・・」

カイト「なら、僕等はそれでいいだろう。それとそうだ、
今日、ミクに何かクローバーの絵のグッズ買ってくよ。」

ミク「え、うん、いつ帰ってくる?」

カイト「遅くはならないけど、あんまり高いものは期待するなよ。」

ミク「それは、わかってるもん。」

カイト「じゃ、ちょっと店を見てくるから切るよ。」

ミク「うん、じゃぁ後で・・・。」



カイトは電話を切ると
少し歩いて、また携帯で誰かに電話をかけ始めた



メイコ「ん、カイト?」

カイト「ちょっと、姉さん・・・」

メイコ「どした?」

カイト「ミクに・・・アルバム・・見せた・・よね・・。」

メイコ「見せたよ、カイト君がお姉さんの後ばっかりついてくる時の。」

カイト「・・・・・・・酷くない?」

メイコ「何言ってるのよ、妹が兄の成長を見たいって言うんだから、見せてあげないと。」

カイト「いや・・・、その・・、もう・・・。ちょっとごめん姉さん、疲れたのと、
買い物しないといけないから・・・また・・・。」

メイコ「そう、じゃ、遅くなるんじゃないのよ。」

カイト「うん、じゃぁ・・・」


メイコは電話を切ると
ミクが熱心に見ていた、小さなアルバムを手に取った

ミクはカイトに電話をかけると、そのまま自分の部屋戻って
カイトが電話してくる少し前まで話していたようだ

メイコは小さなカイトと自分の写真を
アルバムの透明なポケットからそっと取り出した

アルバムのポケットには、メイコとカイトが小さかった頃、
小さな手が摘んだ押し花のような四葉のクローバーが残っている























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