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VOCALOIDの曲をテーマにした二次創作小説です。

   
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真夜中、レンが居間でぼんやりしていると
先に寝ていたはずのリンが起きてきたようだ

リン「消えたいの。」

レン「え。」

リン「眠れないから、消えたいの。」

レン「・・・またか、あぁ、うん、そうそう、リンが言うならきっとそうだ。」

リン「・・・」

リン「・・・膝まづきなさいよ。」

レン「え。」

レン「んじゃ、これで、そうそう、こうして膝をつくのは祈りとかでするらしいよ。」

そう言うと、レンは

レン「では、リンが今日もちゃんと眠れますように、アーメン。」

レンは、ちょっとテンション高めな大袈裟にな身振りで膝をつき
でも、夜中なのでミク達にうるさくないよう祈りを捧げた

リン「・・・うん、おやすみなさい。」

レン「じゃ、おやすみ。」

レンはリンが寝惚けたままの足取りで部屋に戻るのを見送る

レン「はぁ、疲れた・・・ような。ま、疲れないような・・・」


こうして、またレンリン達ボカロ家の夜は更けていく・・・















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とあるバーのドアが開く

マスター「あらぁ、カイトちゃんいらっしゃい。」

カイト「うん、お邪魔します。」

マスター「もう、このあいだのステージ、すごい評判だったのよ。」

カイト「ルカの?」

マスター「そうよ、カイトちゃんもみんなも凄かったじゃない。」

カイト「僕はなにも・・・、でも、そうだね、楽しかったよ。」

先日、いきつけのバーのマスターの依頼で
カイト達はルカをボーカルとして
いつもネルがドラムを担当するバンドで演奏したのだった

マスター「カイトちゃんはしょうがないわねぇ。フフ、でもあの後、メイコちゃんとルカちゃんが、
ウチのいいお酒みんな空けちゃうものだから、お客さんに安いお酒で我慢してもらっちゃって。」

カイト「え、ごめんなさいマスター。」

マスター「あら、違うのよ、いいのよ。お客さん達もこんな美味しいお酒はないって、喜んでたもの。」

カイト「それならいいけど。」

カイト「なら、次はメイコ達に安・・・でも、いいステージだったら、少しだけいいのも飲ませてあげてください、ごめんマスター。」

マスター「もう、ホント違うのよ。でも、楽しかったわぁ、みんな最高だった。ネルちゃんもハクちゃんも、みんな・・・・、
ルカちゃん綺麗だったわねぇ。」

マスターが遠い目をするのを、
カイトもまだ、それほど時間は経っていないのだが
思い出を思い浮かべるのような微笑みで相づちをつく

カイト「そうだね。」

マスター「でも、やっぱりちょっと寂しいわね。過ぎちゃうと何も残らないものなのね。」

カイト「・・・そうだね、またできればいいけど。」

マスター「一回きりの約束だものね・・・、みんな忙しいし・・、」

マスター「でも、カイトちゃん。ハクちゃんとネルちゃんに今度聞いてみてくれない?」

カイト「・・・ミクとルカ、リンとレンは今別のステージがあって忙しいから、すぐには難しいかな。ごめんマスター。」

カイトはマスターの頼みに少し迷った顔をしたけれど
申し訳なさそうにしかしはっきりと言った

マスター「そうよね、こんなちっぽけなお店。でも、ルカちゃんが唄ったって自慢できるもの、
感謝しなくちゃね・・・・」

マスター「・・・やだ、泣いちゃってごめんなさい。」

マスター「そうだ、何か歌う?、やだ、カイトちゃんにカラオケなんて、もう、
今日はあたしホント駄目ね、ホント、ごめんなさいね。」

よほど先日のルカ達のステージが恋しいのか
愚図るマスターの言葉にも、カイトはただ微笑んで

カイト「マスター。」

マスター「あ、飲み物だけじゃ、何か食べる?」

カイト「僕には気の利いた台詞も浮かばないけど」

カイト「今日なら、マスターの聴きたい歌を歌ってあげられると思うよ。」

マスター「フフ。」

マスター「じゃぁ、カイトちゃんにリクエストしちゃう。大好きな曲があるの。」

カイト「いいよ、僕も、マスターに僕の歌を聞いて欲しいと思ってた所かな。」





















レン「ちょいとリン、そこに座りなさい。」

リン「どうしたの?」

リンはレンの言葉に
素直にちょこんと座る

レン「いや、いつもいつも僕ばっかりが、身代わりになったり、斬首されたり・・・」

レン「あんまりじゃない?」

リン「でも、カッコいいってみんな言ってるよ。」

真顔で話すレンに、リンも真顔で答える

レン「て言うかさ。リンもたまには綺麗な役したくないのか。」

リン「えー、だって悪役とかって、ちょっと楽しいし。」

レン「それならいいんだけどさ・・・」

リン「ん、なぁに?」

ちょっと口篭もるようなレンに、
やっぱり真顔でリンは聞き返す

レン「いや、あの時も、僕はリンがいつも幸せじゃないと嫌だからね。」

リン「うん。」

ちょっとだけ吹き出しそうなリンの笑顔に、
しぶしぶレンも納得したようだ
















ミクがリビングを通りかがると、リビングでは
珍しくカイトがお酒のボトルと氷の入ったアイスペールをそばにして
グラスに口をつけているようだ

ミク「ねぇ、カイト兄さんは、どんな曲歌ってると楽しい?」

カイト「え・・・、」

ウイスキーのグラスに口をつけているカイトに
ミクは唐突に聞いてみた

カイト「そうだねぇ。」

ミク「やっぱり、ヒットする曲?」

カイト「おまえね・・・・」

カイトは割と本気の呆れ顔で、こちらを覗き込むミクを見上げる

カイト「まぁ、ミクはそうかもしれないけど・・・。僕は想いの詰まった曲かなぁ。」

ミク「なにそれ、私も一所懸命作ってくれた曲歌うの凄く嬉しいよ。」

カイト「ごめん、ごめん。でも、僕等の心は。作ってくれた人の想いの欠片なのかもしれないからね。」

今度は、
ミクが少し呆れたような笑顔になる

ミク「う~ん。もしかして、キザな事言ったつもり?」

カイト「あれ、ダメかな?」

ミク「でも、そうかも。」

カイト「そうかもね。」

そう言って部屋へ戻るミクを見送ると

カイトは、まだ少し飲むつもりのようだ















   
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